慢性腎臓病(CKD)ってご存知ですか?
暑かった夏も終わり、朝晩が急に冷え込んできましたが、皆さん風邪などひかれていませんか?
さて、今回は慢性腎臓病(CKD:Chronic Kidney Disease)についてお話ししたいと思います。
腎臓の機能としては、
- 尿として体の老廃物を洗い流す
- 血圧を調整する
- 赤血球を増やすホルモンを産生する
- 体液量・イオンバランスの調整
- 骨粗鬆症を予防するVitDの活性化などがあります。
腎機能が低下してくると、
夜間尿・むくみ・貧血・倦怠感・息切れなどの症状が現れてきます。
そういった腎機能が低下している状態-CKD-は、日本の成人人口の約13%、
1,330万人の患者がいると考えられ、
糖尿病・高血圧・脂質異常症などに加わる新たな国民病と言われています。
慢性腎臓病(CKD)があると、脳卒中や心筋梗塞など心血管病発症のリスクが高まると言われています。
また、慢性腎臓病(CKD)が進行して腎不全になると体内から老廃物を除去できなくなり、
最終的には透析や移植が必要になります。その人工透析患者も全国的に増加しており、
2014年末には320,448人となり、前年度に比べて約6,000人増加しています。
透析患者一人当たり年間500万円(!)の医療費が必要となっており、社会保障費の増大に拍車をかけております。
腎臓は病気がある程度まで悪くなってしまうと、もとの正常な状態に回復することは難しいですが、
生活習慣の改善や薬物治療により病気の進行を遅らせることが期待できます。
定期的に健康診断を受けることで、慢性腎臓病(CKD)の早期発見と予防に努めることが重要です。
西宮市では特定健診を毎年実施しておりますが、
驚くべきことに潜在的CKD患者の割合が、県・国平均から見て有意に高く、
腎機能低下の原因となる高尿酸血症・脂質異常症の割合が高い状況でした。
この様な事実を踏まえ、西宮市ではいち早くCKDの早期対策に乗り出します。
今後送付される特定健診結果の「右下枠外」に、「A」または「B」と記載されている方は、その対象となる方です。
「記載なし」であれば喜ばしいのですが、検尿の「蛋白尿の程度」や腎機能の指標である「eGFR値」から、
「A」「B」の評価が下されます(Bの方が、より腎機能が低下)。
「A」判定の場合、引き続き「少なくとも3か月」にわたっての診察・検査(腹部エコーや血液検査・検尿など)・治療が必要となります。
「ふなもとクリニック」は、CKD予防協力医療機関になっておりますので、保険診療で引き続き継続診療できます。
「B」判定の場合、高度専門医療機関(兵庫医大/明和病院/県立西宮病院/関西労災病院)に紹介いたします。
もちろん紹介先でも、保険診療で必要な検査・治療が受けられます。
CKDと診断されたら、悪化させないために下記を参考にしてください。
- 生活習慣 喫煙・過度の飲酒・運動不足・不規則な生活に注意して持病を悪化させない。
- 食事療法 塩分制限・蛋白摂取のコントロール・腎機能によってはカリウム制限。
- 薬物療法 残念ながら、腎機能を元に戻す薬は無く、薬を使って腎機能を「補う」ことで更なる「進行を遅らせ」たり腎機能低下で起きる症状を「緩和」します。
特に、腎不全に伴う貧血には有効な注射(エリスロポエチン)があります。
それ以外にも、腎臓から排泄しきれず蓄積するカリウム・リン・毒素をコントロールする薬などがあります。
「鉄は熱いうちに打て」と言いますが、早期の対応が最も大事です。
まずはCKDにならないために、CKDのリスクになる
メタボリックシンドロームや生活習慣病にならないこと、罹患しても出来るだけデータを改善すること。
そのために、「出来るだけ早い時期から糖質制限」に取り組んでほしいと思います。
またか・・・と思われる方も多いとは思いますが、
「薬を使わずにまたは出来るだけ少ない薬でお腹いっぱい食べながら」、
あらゆるデータが改善する「魔法の治療法」です。
是非、私と一緒に「糖質セイゲニスト」を目指してください!!