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長引く咳にご注意を ~結核は過去の病気じゃありません③~

大分夏の日差しが出て来ましたね。今年は「酷暑」だそうです。
皆さん、熱中症対策はしっかりとお願いします。

さて、今回で結核シリーズも最終回となります。恐ろしい病気を引き起こす結核菌は、
長さ1~4ミクロン、幅0.3~0.6ミクロン(1ミクロンは1000分の1ミリ)の
棒状の菌で、表面はロウ状の物質の丈夫な膜で覆われ、
いくつもの菌がくっつきあって房のようになっているのが特徴です。

分類学的にはハンセン病を起こす「らい菌」とともに「抗酸菌」という仲間に属します。
結核菌は細菌としては酸やアルカリに対する抵抗性が強いわりに、
日光の中の紫外線には弱いので殺菌灯(紫外線灯)が感染防止に用いられることがあります。

患者の病巣には菌が何千万、何億の単位で含まれていますが、
このような患者の痰には多量の菌が入っています。

1mℓの痰のなかに「1万単位」の菌があると、痰をガラス板に塗りつけ染色し、
顕微鏡で調べるだけで結核菌が検出されます(「塗抹陽性」)。

しかし痰に含まれる菌が「何千個」程度ですと顕微鏡では分かりません(「塗抹陰性」)。
その場合は痰を培養し増殖させて、はじめて菌を証明することができます(「培養陽性」)。

結核菌は増殖分裂の速度がのろく、1個の菌が2個になるには15時間もかかります(大腸菌では20分くらい)。
そのため培養検査の結果を見るには4~8週間もかかり、結核の早期診断上の大きな障害となっていました。

最近は遺伝子工学の技術(既出のQFTやTspot)で結核菌の核酸を調べる方法が確立され、
小量の菌でも数時間以内に検出することができるようになりました。

結核を薬で治すことは人類の長い間の夢でした。
1944年、ワックスマンがカビから作り出したストレプトマイシンはその劇的な効果で、
まさに「魔法の弾丸」と呼ばれるにふさわしいものでした。

続いてパス、ヒドラジドなどが登場し、「結核の治療は化学療法で」することが確立しました。

以後も次々と開発され、現在「抗結核薬」として広く認められているものは10種類を越えます。
結核菌はしぶとい菌なので、ある程度の期間薬で叩かないとぶり返します。

またその間に薬に慣れて抵抗性になる(「耐性」)ので、2種類以上の薬を一緒に使うのが鉄則です。
最新の方式はリファンピシン、ヒドラジドという2種類を軸に
最初4剤、続いて2~3剤を合計6カ月使う、というものです。

結核菌に「耐性」を作らせないためには、

  1. 薬をきちんと服用する(のんだり、のまなかったりは最悪)
  2. 十分強い薬を複数組み合わせて治療する、ことです。

不幸にもこの原則が活かされずに薬剤耐性になった人から出た結核菌で感染を受けた人は、
発病したときから耐性ですから治療はかなり厄介です。

大切なのは耐性を作らないための患者・医師の連携プレーと言えましょう。
感染→発病→感染→・・・という連鎖が結核という感染症の広がる仕組みなので、
それを断ち切ることが結核対策の基礎です。そのために次のような手だてが行われます。

  • BCG接種:感染を受けても発病しないように免疫をつける。主として子供に行われます。
  • 化学予防:感染を受けたことが分かった人に、発病を防ぐために薬をのませる。対象はやはり子ども、若者です。
  • 患者発見:発病してしまった人をできるだけ軽いうちに発見して治療につなげる。健康診断や医療機関の受診が含まれます。
  • 治療:発見した患者を化学療法で治し、感染源にならないように、健康な生活が取り戻せるようにする。

他にこれらの手だてを支えるための方策として
患者や家族への指導、患者の登録制度やそれに基づく流行監視(サ-ベイランス)、
対策従事者の訓練なども結核対策として重要な活動です。

そしてこれらの活動が効果的に行われるよう、皆さんの十分な理解、積極的な参加と支援が必要です。

世界に目を向けましょう。
途上国で結核が大蔓延していて、各国でその対策に大わらわなのは皆様ご存じのこと。
今は短期化学治療が本流ですが、薬の服用を途中でやめる人が多いのが頭痛のタネでした。

患者が治らないどころか、耐性菌を生み出し、後世までも害を及ぼします。
そこでWHO(世界保健機関)の結核対策本部では「薬を患者には手渡さないで、
毎日外来に通ってもらい、職員の目の前でのませる」方式を打ち出し、

これをDOTS(Directly Observed Treatment, Short course)として、
結核の標準的な治療方式としました。

これが次第に普及して大きな成果をあげています。
結核という忌まわしき病気に「ならないこと」
「なったらしっかり治療すること」「後世に伝えないこと」を心に留めておいてくださいね。

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